2008年01月16日

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その仕事の始まりは、昨年の夏に遡る。

ある日、お客様から1件のオファー。お話によれば、営業支援系のシステムの維持・開発をお願いしているシステムベンダーが「撤退」を申し入れしてきたとのこと。今回、その業務引継ぎ先として、私達を指名して下さったのだ。

何とも有り難いお話。

業務の概観を伺ったところでは、その仕事は私達にとってはやや荷がきつめではあった。取り組む人数規模的にもそうであるのだが、何せ今取り組まれている会社さんが長年面倒見てきたシステムなので、「引継ぎはそう簡単ではない」というシロモノだ。

だが、ここで自分はある決断をする。

昨年8月の社員総会にて、
「今回オファー頂いた件は、必ず取り組みます。その体制を作る為に、現組織の改変があるかもしれませんが、それも止む無しとしてご理解下さい。体制案のねりこみについては、各リーダーにそれぞれ相談します」と皆に伝え、その仕事は多少の組織改変を伴おうが絶対取り組む−という姿勢を見せた。

自分達の能力の範囲内の仕事ばかりしていれば、集団としての能力は向上しない。今回のように「少し背伸びすれば、何とかやれそう・・・」という位のテーマが、集団にとっても、仲間個々にとっても、その成長の為には相応しい。そういう思いでの決断であった。

「秋ぐらいから、まずは窓口になる方を決めて頂いて従事して頂きたい。」というご要望を受け、早速自分の中で人選に入った。このようなケースでは、とかく、「今空いてる人の中から選ぶ」−事をしてしまい勝ちだ。だが、それでは折角オファー頂いたお客様にも失礼であるし、結果的にチャンスを潰す事にもなりかねない。「成り立って、『その後の希望』が見える体制」...これが必要だ。そんな思いの中、あるリーダーの顔が浮かんできた。

「彼に切り込み隊長をしてもらうのが相応しい」

ある日、彼を呼んで、「誰にどう任せたら良いと思う?」と相談を持ちかけた。すると彼いわく、「自分がまず行って仕事や業務の流れなどをまず掴むしかないと思います。」と、きっぱり。もちろん、その時彼が担当している業務も多岐に渡っており、そこまで守り上げてきたお客様との信頼関係を半ば捨てて、新たな道を歩む事に抵抗はあっただろう。が、それを飲み込んで勇気を出して自ら「自分しかいない」と主張した彼の立派さをまずは称えたい。

こうして、窓口を彼に決めたところから、集団は自ら細胞分裂を活性化させていった。

彼と、もう一人のリーダー間で、彼が持っていた業務の引継ぎ計画を練り、それを2人のリーダーの若い部下達に説明し、その体制を浸透させる。一方、担当変更となる旨を関係するお客様それぞれに対して説明し理解を求める動きがとられた。何せ、チームリーダーを一人外したワケなので、残されたチームメンバー及び業務受入れ先のチームにとっては、目まぐるしい動きとなった。

そして、その業務がスタートする。
新しい業務に飛び込んだ彼も、「新しい事」に日々触れながら、「いかに力になって評価頂くか」を必死に模索する。それと同時に、残されたメンバー・チームも引継ぎ後の業務を一つ一つ自らのものとするべく頭と身体を使う。

もちろん、このようにチーム・グループ改変を行う時には、報・連・相及び指示系統に多少なりとも乱れやぎこちなさが噴出するものだ。だが、それは当り前の事でもある。だから自分としてはある程度放っておいて、彼らの細胞分裂にかけてみた。

すると、週に2回程の定例ミーティングを始めてみたり、また、随所でコミュニケーションの量と質を向上させながら、今まさに、彼らの細胞分裂能力が、ある壁を乗り越えようとしているのだ。

組織は、いつも綺麗に描いていれば良いというものではない。時には欠陥がある状態の時もある。そんな時、その欠陥を自分の立場から修復する事も必要であるが、一人一人が、「明るく良く考える」集団であったなら、あたかも勝手に良い方向に変貌していく事もある。

そんな彼らの素晴らしい能力を称えたい。

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sigma1126 at 13:14│このブログを人気ブログランキングで応援する | Comments(1)TrackBack(0)この記事をクリップ!
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この記事へのコメント

1. Posted by UNI   2008年01月17日 09:41
私達の部門も、今、大きな岐路に立っています。よく”改革”というキーワードを耳にしますが、実際の内容は改善や改良のレベルで、本来の改革の意に達していることは少ないですね。あるタイミングで部門全体におよぶストレスを与えて、現状の延長線上から外れた挑戦は必要なことだと思います。良い機会に恵まれましたね。高橋社長の経営姿勢があれば、きっと良い方向に進むと思います。私も近々、部門内が動揺するような再編計画を提示します。お互いに頑張りましょう!

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よろしくお願いします
土の香りのソフト屋さん
高橋和美

1984年 銀行系シンクタンク入社
その後、中小ソフトハウスにて経験を積ませて頂き、
2001年9月10日、螢轡哀泪レストを東京五反田に設立

当初6名で始めた会社も、徐々に体制が大きくなり、目下数々の壁に体当たり中。

夢は、第一線を退いても自分の居場所となる憩いのエリアを設立すること。

一人の成功は望まない。
仲間との成功分かち合いを好む。
年に一度はビールかけをするような元気で暖かい仲間・集団、そしてそれを周囲に伝染させていきたい。
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