2006年10月23日

■偽装請負

とある製造業様の件に端を発し、巷で騒がれているこの問題。

もちろん、我々「ソフトウェア業界」に於いても、それは全く他人事ではなく、むしろこれから入るメスに戦々恐々とする企業も数多い事だろう。

2年程前に、これに関連する記事をいくつか書いたので、まずはそれをご紹介したい。

・2004年10月13日「ソフト業界の下請構造(1)」

・2004年10月16日「ソフト業界の下請構造(2)」

・2004年10月19日「ソフトウェア受託開発業?」

・2004年10月21日「ぐるぐるまわる!?」

・2004年10月26日「システム屋としてのプライド 」

この偽装請負の件を知ってか知らずか、それに近い部分をだいぶ捲くし立てて頂いている。

「こういうスキルを持った人が欲しいんだけど・・・」
「だったら、この経歴書の人はいかがでしょう。」
「では面接は×月×日。時間は×時という事で・・・」
と話は流れ、結果として話がまとまり、
「それでは、この方に来週から来ていただきましょう。単金は、1ヶ月××万でどうでしょう。あと、時間の増減ですが、月間標準時間を140h−180hとし、これを越えたら時間単価で精算しましょう」

この業界、簡単に言うと、上のようなやりとりで話が決まる事が多い。
これで、堂々と「請負」の契約書が作られる。自分は長く業界に浸かっているのでやや感覚は麻痺しているが、普通に考えるとどう考えてもおかしい。
雇用契約を結ぶ為にスカウトしてもらう話か、百歩譲っても派遣契約の話にしか聞こえないだろう。

いったい、受注元は何を請負ったというのか・・・。
一旦作業が始まると、日々、発注元担当から細かな作業指示が出て、その通りの作業を行っていく。

「これはすでに派遣でしょ!?」

きっとその通りだと思われる。ただ、2年前に書いた記事にもあるように、この業界、階層構造がかなり深い。現実にあわせ、派遣に切り替えたとしても、今度は「二重派遣」の問題にぶつかる。

さてさて、技術者売込み型で飯を食ってきたソフトハウスはこれからいったいどうすることだろう。やはり、この流れは、中途半端なソフトハウスを淘汰する方向に流れるはずだ。派遣で勝負するにも、請負で勝負するにも、コンプライアンス運営を前提に強みを磨いていけたところだけが生き残る。

また、これまで、大量に要員導入することで価値を創造してきた、大手のベンダーも、やすやすと人を集めて提供すれば良い−という状況ではなくなった。

ガリバーのようなメーカーや超大手のシンクタンク、ソフトウェアベンダーを除き、中小ソフトハウスはもはや横一線の戦国状態に入りつつある予感がする。

この流れを煽りたい。
改めて言う。
「小さいソフトハウスよ。勇気を持って、強みを作り、しがらみから抜け出そう!」

面白い状況になってきた。

sigma1126 at 15:54│このブログを人気ブログランキングで応援する | Comments(3)TrackBack(1)この記事をクリップ!
▼システム屋として 

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1. 派遣契約、更新する?・しない?  [ 私の稼げる情報・気になる情報 ]   2006年11月12日 16:03
派遣社員として働く一人の人間の気持ちを記しています。今回は契約、更新する?・しない?です

この記事へのコメント

1. Posted by Toshiちゃん   2006年10月23日 22:12
4 この問題は凄く複雑です。派遣法もコンピュータ業界(コンピュータシステムの開発)を熟知された方が作ったのでは無いし一寸現状にマッチしていない部分が多いと思います。法律の求めるのと企業の求めることこの様な膨大なシステムが多数有ること等々のミスマッチが多いと思います。又厚生省と労働省が一体となったことそれに税収をあげたい財務省、個人情報保護法等々複雑に絡んだ法律で課題の多い法律で縛ろうとする点等々です。矢張りご指摘の通り技術力の有るソフトハウスが殆ど無くなって来ているのも事実と思いますし、技術者不足も大きな課題と思います。今こそキチットした技術力の有るソフトハウスが認められるチャンスと思います。成長するチャンスと思います。
2. Posted by 出口 茂   2006年10月24日 12:11
ソフトの業界もそうですが、職業柄、多くの会社、業種を見ていましても、同じ構造はどこにでもありますね。話は少しズレますが、現在、ある上場会社の子会社のコンサルティングを依頼されていますが、全国同じ商品を、エリア別に販売する会社です。売る商品が決まってしまっていることは、結構たいへんだな、社員のモチベーションを上げるのはたいへんだなと感じています。
構造打破はたいへんですが、せっかく仕事をするなら、自分が納得できる時間を過ごして欲しいと、お客様をみていつも思います。
3. Posted by 橋本正徳   2006年10月25日 00:13
5 僕も福岡でソフトハウスを経営しております。
同じく、群雄割拠の時代への突入、煽っていきたく思います。

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よろしくお願いします
土の香りのソフト屋さん
高橋和美

1984年 銀行系シンクタンク入社
その後、中小ソフトハウスにて経験を積ませて頂き、
2001年9月10日、螢轡哀泪レストを東京五反田に設立

当初6名で始めた会社も、徐々に体制が大きくなり、目下数々の壁に体当たり中。

夢は、第一線を退いても自分の居場所となる憩いのエリアを設立すること。

一人の成功は望まない。
仲間との成功分かち合いを好む。
年に一度はビールかけをするような元気で暖かい仲間・集団、そしてそれを周囲に伝染させていきたい。
月別