2006年10月22日

■物思い

金曜日。高校大学時代の友人5名で新橋で飲んだ。

中に1人、小学校時代からの友人がいる。彼は、自分の元実家から歩いて5分程のところで生まれ育ち、結婚後、一時その場を放れていたが、今は戻り、そこに自らの城を築き、幸せに暮らしている。

その彼いわく、
「あの和美んち。もう更地になってたよ。」

6月に一人暮らしの母が亡くなり、8月に納骨を済ませ、実家である借家を整理整頓し、明け渡したのが8月27日の事。あれから1ヶ月あまりの事だ。
明け渡す時に、大家さんからは、「もう壊すしかないからねぇ」と言われていた。また、その間、足を運ぶ事もなかった。「そこに赴く理由」がなくなった事もあるが、バタバタ続きで会社とその仲間達に多大な迷惑をかけていたので、「流れを逆転」させる事を自分に命じ、9月以降前のめりに動いてきた。

だいぶ「実家」に対する思いは、風化し始めた筈であった。

だが、改めて「更地になった」と友人から聞いて、懐かしいあの思いが蘇る。母を亡くし、写真を前に一人泣きじゃくった事。片付けの日々。壁に描いた落書き、チューインガムのおまけのシールがべたべたに貼られた柱。
それらが、とうとう跡形もなく、なくなった。後は、数少ない残された写真と、そして、自分の胸の中にのみ、焼き付けられた思いを大事にしていくだけだ。

これからはきっと、今の状態からさらに風化して、「思い出」として熟成されていくことだろう。

とりあえず近いうちに行ってみよう。

久しぶりにちょっと浸ってみた週末でした。

sigma1126 at 23:21│このブログを人気ブログランキングで応援する | Comments(5)TrackBack(0)この記事をクリップ!
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この記事へのコメント

1. Posted by sono@sapporo   2006年10月23日 11:00
お久しぶりです。

想い出の詰まったご実家のこと、お気持ちお察しいたします。

なんと言っていいかわかりませんが。。。。

時節柄お身体ご自愛なさってください。

2. Posted by mayu7   2006年10月23日 13:13
あ…そういうご事情だったんですか…。

>「流れを逆転」させる事を自分に命じ、9月以降前のめりに動いてきた。

起業家の方は、ひたすら前のめりなのかな…と、思っていたのですが、

この記事を読んでやっと合点が行きました。

私は、父の借金で(^_^;)、バブル時に乗じて土地を売却し、かつて住んでいた土地を離れましたが、

かつて住んでいた家が壊れていく姿を見る勇気は無く、

それでも「もう全く別の家が建っている」というのも「怖い物見たさ」に見に行った事があります。

3. Posted by mayu7   2006年10月23日 13:14
家族、長く付き合って来た人、関わって来た人とのみずみずしい交流も、風化してしまうのだろうか…と、ふと淋しい思いに駆られる時があります。

でも、それが風化したままではなく、
>「思い出」として熟成されていくことだろう。

という風に、自分の人生を支えて来た物として、
いつまでも、大切に、心に出来れば、
淋しくなる事も無いよね、

ちょっと日頃の生活から「奥のメモリ」として大事にとってあるだけだよね、

いつまでも、自分の心を形成する一部である事には変わりは無いんだから…と

思い続ける事で、

未来の様々な出会いも、自分の生き方も又、
大事に出来るのかな…と

思った事があります。

4. Posted by mayu7   2006年10月23日 13:15
小さい頃の思い出…

私は会社の寮で、
引越しと同時に、色々譲ってしまったりしましたが、

思い出として、取り出せるところに
土の香りのソフト屋さんの

豊かな心が感じられました。

是非、土の香りのソフト屋さんの思い出達を、素敵に熟成させて
下さいな(^o^)m(__)m。



5. Posted by まゆりん   2006年10月23日 16:03
親を亡くすのは辛いですよね、、、

同い年ですが、私も母を22年前に亡くしています。

親孝行をしないうちに亡くなってしまったので、今でも、、、特に最近母を想い涙する日があります。

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