2006年08月16日

■お酒造りの話

と言っても、お酒造りそのものの話ではありません。

お酒造りを助けるシステム作り、固く言うと「生産管理システム」についての話です。

一般的に生産管理システムは、部品表や工程表などの生産モデルを組み上げ、それを基に、売上計画やお客様からの発注に従って、生産計画を練り上げて作業指示を組み立てます。
一方、指示に基づいて実際に生産作業を行う事で、今度は逆に実績データを拾い上げ、原材料や製品、中間品の在庫管理に繋げたり、またそのデータを利用して原価計算を行ったりします。

最近は、この手のシステムは一から手作りする事はほとんどなくなりました。
ERPを含むパッケージソフトでどこのお客様もほとんど業務を担っている−というのが現状なのではないでしょうか。

もちろん、取り扱い品目の質や種類、数、また、商品サイクルによって、キーポイントとなる機能はそれぞれ異なりますが、「生産管理」と言えば、「財務会計」に続いてパッケージ化し易い部分でもあるので、このようにそお客様の業態別にさまざまなものが、さまざまなソフトウェアメーカーから売られています。

ただ、私の経験からして、お酒は難しい・・・です。

通常、ERP導入の際には、業務とパッケージソフトで持っている機能との間のギャップを見つけ、それを業務で対応するかソフトをカスタマイズする方向とするかを個別に検討しながら進めていきます。
また、追加機能については、「外付け」とか「アドオン」などと称して、パッケージソフトそのものはいじらずに、ソフトが提供している外部インターフェイスを利用して、別途プログラムを新規作成し、これに対処します。

お酒の場合、この「追加機能」にあたる部分で、「この機能がないと実質運用できない」という「帳簿作成」という機能を実装しなければなりません。
お酒の製造は、酒税法によって、かなりしばられており、お酒の製造過程を事細かに記録して、これを税務署に提出しなければならない−事になっています。
恐らくですが、この提出用の酒税帳簿も税務署によって、必要項目やレイアウト、また、その種類が別々となっており、それが尚更パッケージ化を難しくしているのでしょう。

私の経験則ですが、一般的な生産管理データに比べ、この帳簿用に記録し保管するデータは、細かく膨大になります。ですので、処理スピードなどにも気を使いつつ、また、生産管理本体との整合をとりつつ、きれいにアドオン部分を構築しなければなりません。

もはやアドオンだけで、立派なシステム作りと化します。

このような事情から、たとえ「生産管理システムについてはバッチリ!」という経験豊富なSEの方も、ことお酒については「こんな筈では・・・」と面食らう部分も少なからずあるのではないでしょうか。

「生産管理」の経験は、ごく一般的ですが、「お酒の製造・生産管理に絡んで、血だらけになったよ」というのは、かなり価値が高いのではないかと思います。

私達のような小さなソフトハウスには、このような業務特化の道もあるのだと考えています。

sigma1126 at 18:13│このブログを人気ブログランキングで応援する | Comments(6)TrackBack(0)この記事をクリップ!
▼システム屋として 

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この記事へのコメント

1. Posted by あきやす   2006年08月16日 23:25
ご無沙汰しております。

お酒の生産管理は関わった事がありませんが、苦しそうでもあり楽しそうでもありますね。
最後はお酒を卸値で買う特典があると一層嬉しいかな?

お酒はやはり石油などのようにプロセスバッチ型の生産管理システムとなるのでしょうか?

私も生産管理など現場と関われる仕事が大好きです。
2. Posted by モモ   2006年08月17日 01:29
おひさしぶりです。
お元気なようですね^^
安心しました。
3. Posted by ☆夏雪☆   2006年08月17日 10:08
5 おはようございます。

酒税法で、お酒の製造過程を記録したものを税務署に提出しなければならない事になっているとは知りませんでした。

けれど逆に、そういった特殊な、他が手をつけたがらないようなところに、入り込む隙間みたいなものがあるのでしょうね。そしてそういった経験・ノウハウが財産になっていくのでしょう。

人間も会社も引き出しが多ければ多いほど、いろんな場面で対処が可能になりますね。

自分を振り返ると。。。恥ずかしい限りです
4. Posted by AMB 岡部   2006年08月17日 12:35
こんにちは。
業務に特化した知識に勝るものはないですね〜
残念ながらうちは発展途上でまだまだです(^^;
5. Posted by スマイルハートの社長   2006年08月17日 12:59
スマイルハートの社長です。
いつも忙しい中コメントありがとうございます。

難しいものだから知識を生かして
特化する。それを自社の強みにして
コアの部分を作り上げるのですね。
すごいなあ。
勉強になります。

今日も応援します、ポチッと!
6. Posted by Toshiちゃん   2006年08月24日 21:03
5 お酒の生産管理システムは面白そうですがPKGで完全に作るのは難しいでしょうし、口に入るのでトレーサビリティシステムとの絡みとか、複雑になると思いますが特殊な分野なので?競合が少ないのでは?業務知識を得るまで相当お酒も飲まれたのでは??貴兄の様に酒豪で無いと難しそうですね!ご苦労様です。

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よろしくお願いします
土の香りのソフト屋さん
高橋和美

1984年 銀行系シンクタンク入社
その後、中小ソフトハウスにて経験を積ませて頂き、
2001年9月10日、螢轡哀泪レストを東京五反田に設立

当初6名で始めた会社も、徐々に体制が大きくなり、目下数々の壁に体当たり中。

夢は、第一線を退いても自分の居場所となる憩いのエリアを設立すること。

一人の成功は望まない。
仲間との成功分かち合いを好む。
年に一度はビールかけをするような元気で暖かい仲間・集団、そしてそれを周囲に伝染させていきたい。
月別