2005年12月25日

■3度のチャンス

自分が最初に入った会社の部長の方は、成果の出ない部下に対して、手を変え品を変え、何度でもチャンスを渡すので有名であった。

「いいか高橋。成果があがらなくても、その部下を見捨てたり、成長を諦めてはダメだ。
もしかすると、たまたま仕事の質と当人のスキルがアンマッチだっただけかもしれないし、そのプロジェクトの人間関係に馴染めなかっただけかもしれない。最低3度のチャンスを渡してあげよう。それでもダメなら、またその時考えよう。」

これを貫かれていたこの部長、さすがに部下に慕われ、「ついて行きます。」という社員も多かったように思う。自分も当時はその一人だ。

システム開発の仕事の多くはプロジェクト制であることが通常。
短いものなら数ヶ月、長ければ数年間に渡るものもある。
SEとして、一見同じ工程に参画するにしても、お客様の性質、プロジェクトを構成するメンバー、使用する開発方法論、コンピュータの機種、プログラム言語等によって、その表情は大きく異なる。
従って、Aプロジェクトで成果を出せても、Bプロジェクトでは潰れた−という事も少なくない。

まさにプロジェクトは生き物。
臨機応変に自分の役割を認識し、必要な知識を短期間で吸収し、実行をしていかないと、途端においてきぼりを喰らう。
やはりSEもタフな仕事の一つだろう。

部長のおっしゃった、「最低3度のチャンスを与えること」、心に残る言葉だ。
きっと3度でも足りないだろう。
ただ、チャンスを与えるというだけでは足りなく、そこに部下の成長を本気で心から願う強烈な気持ち、これが大切だ。そして、それを実践出来るスキル。今であれば、コーチングやカウンセリングのスキルも上司として必要だと感じることも多い。
そうして、部下と共に自らも成長していく流れが出来ればとても良い。

だが...

中には、その仕事が当人に向かない−と感じられる事もある。
そんな場合は、同じ職種で何度も一方的にチャンスと言って与えることが、逆に本人を苦しめ、機械損失になるのではないだろうか。
一方では諦めずにチャンスを与え、またその一方では、本人の特性を見抜く。
サジ加減は大変難しいが、別な職種への配置転換を考慮に入れるべきであろう。

願わくは、個性を生かし、それぞれが、「好きで得意で儲かる」 黄金の仕事を模索したい。
やがては、仲間の人数分の事業が立ち上がり、それはバラエティに富んだ楽しい世界になること間違いない。

今は、それが出来るだけの基礎体力をつけるだけだ。

sigma1126 at 09:53│このブログを人気ブログランキングで応援する | Comments(16)TrackBack(1)この記事をクリップ!
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1. クリスマスロケ・・  [ ヒルズの虎/甲田 英司・社長日記 ]   2005年12月26日 15:08
↑めざせ1位↑・・ヒルズの虎にご協力下さい 人気ブログランキングへ!甲田英司・ヨロシクお願いします 経営ブログランキングもお願いしいます 今日はクリスマス! そしてテレビ東京「速ホゥ!」の収録日 まず最初に自宅から・・その次にフェラーリ....

この記事へのコメント

1. Posted by つかさ:「ソリューション営業の道具箱」   2005年12月25日 11:36
チャンスを与えてくれる上司と、自らつかもうとする部下の関係がベストですね。
仕事の向き不向きというのは、残念ながらあると思います。不向きな場合は、違う環境を与えてやることが、マネジメントの仕事ですね。
2. Posted by 観じる日記   2005年12月25日 13:00
コメントありがとうございました。
人間は自分を認めてくれる人に
ついていきたいものです。
逆に認めてくれないと、
ダメにしてしまうこともある。
後はどのように適材適所を
見分けるかがポイント。
正直、簡単にはできませんが。
3. Posted by 「社長の成功日記」吉田和彦   2005年12月25日 14:19
仲間の人数分の事業が立ち上がるというのはいいですね。
個性を発揮できますよね
4. Posted by THE営業マン   2005年12月25日 16:52
素晴らしい部長様ですね。
強い方だと思います。特性を見抜く"目"もお持ちの方だと。

最後の"基礎体力"という言葉にシビレました。
5. Posted by 出口 茂   2005年12月25日 20:39
人を信じることができる部長さんは、本当に強い方ですね。部長さんの思い通りの結果が出ないこともあるでしょうし、思いが通じないこともあるのでしょうが、それを続けることはすごいことですね。組織的には、組織の信用を損なわないようにはしないといけないので、部長も本当はハラハラかもしれません。会社は人生道場なのか、利益追求の場か・・・。私は、子供に自分の事務所を引き継がせようとは思っていないので、自分の人生道場です。私も、信頼した部下はとことんチャンスを与えたいです。自分も成長できそうな気がします。
6. Posted by セブンスター   2005年12月25日 21:16
こんばんは。
私も学校を出て営業始めた時、1年半売上ゼロでした。しかし、この1年半が私を育ててくれました。地味な工場見学によって知識と人との交渉について学ばせてもらえたと思い、今では感謝です。1年半後には何人もの先輩を追い抜く程の売上ができましたし、この時期、会社やマネージャーが見切っていたら今の私はいません。
その後、転職して今の外資系の会社に飛び込んだのですが、臆するところは微塵もありません。前職の先輩方に成長している姿で恩返しをするつもりで営業活動してます。お恥ずかしながら「出来ない人」も「開花できる」という、生き証人のうちの一人です。
7. Posted by スマイルハートの社長   2005年12月25日 22:04
素敵な部長ですね。
一気に仕事も受注し
これからさらに躍進だ!
8. Posted by 土の香りのソフト屋さん   2005年12月25日 22:08
つかさ様

そうですね。向き不向きというのは、とても判断苦しみます。ともすれば、人生の方向性を決めてしまう事になりますよね。ですので、極めて慎重にならざるを得ないと思います。
9. Posted by 土の香りのソフト屋さん   2005年12月25日 22:12
観じる日記様。

コメントの返信頂きまして誠に有難う御座います。信じるのはとても大切ですよね。ただ、心の底から信じることの難しさを最近痛感します。「信じること」とは、具体的にどうすることなのか−について、考える事、多いです。
10. Posted by 土の香りのソフト屋さん   2005年12月25日 22:15
吉田様

有難う御座います。
小人数の会社ですので、そのくらいの夢を持って、楽しくやっていきたいです。そして、一味違うストロング零細企業を目指したいです。
11. Posted by 土の香りのソフト屋さん   2005年12月25日 22:33
THE営業マン様

有難う御座います。
やはり、基礎体力と言いますか、資金力がないうちに、いろいろ楽しいことばかり考えていても、「とらぬ狸。。。」ですので、その辺り自分を戒める必要があると感じたのです。
12. Posted by 土の香りのソフト屋さん   2005年12月25日 22:37
出口様

そうですね。採算の数字との戦いを続ける中、信じてかつ辛抱するのは並大抵ではないとも思います。ですが、その彼を仲間として受け入れるにあたって、少なからず関与した事で思い入れも出来ますよね。「何がなんでも成果を出させてあげたい。」この気持ちを大切にしたいです。
13. Posted by 土の香りのソフト屋さん   2005年12月25日 22:44
セブンスター様

ご謙遜されてますが、当然ご本人の高いポテンシャルとモチベーションの賜物だと思いますよ。所詮上司は愛情を持って導く事しかできません。やるのはあくまで本人です。
素晴らしいご経歴だと思います。センスもイケてます。
14. Posted by 土の香りのソフト屋さん   2005年12月25日 22:49
スマイルハートの社長様

応援頂き、有難う御座います。
勢いは大切に、しかし慎重に謙虚に、全力で走りたいと思います。
15. Posted by ベンチャー広告代理店の取締役   2005年12月26日 00:14
チャンスを与えるコトって、勇気が要ります。けれど、全部を自分一人で出来る訳じゃありませんものね。
部下の適性を見極めて渡し、そしてチェック&フォローしていくことが大切だと思います。
仕事の向き不向きは、やはりあるんですよね。好きだけでは、通用しないのが、ビジネスだったりします。
ホント、この辺のバランスは難しいですよね。
16. Posted by ITおやじ   2005年12月26日 00:51
素敵な部長さんですね。部下の方を信じてらしたんですね。信頼は信頼とのみ共鳴しますね。。。

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